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バターロールを焼く

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バターロールを手作りする。

パンでも麺でもいいのだが、普段何気なく買って食べているものを出来る限り自分の手で粉から作ってみる。少し手間はかかるのだが、一から手作りすると、食欲に対する満足度は高いものがある。幸福感があるのだ。上手くいくと、素直に美味しい嬉しいって思ったりする。バターロールを前にすると、その丸々つるつるした見た目に母性本能まででてくる。粉をこねることからはじめ、発酵させ、形にし、また発酵させ、焼く。生地は発酵のたびにフワフワとした触り心地になる。温度管理が大事らしい。

正直言って、パンを美味しく作れる人は山ほどいる。ただし、焼き立てのホカホカしたパンを、あついあついと言いながら頬張ることができるのは、何より幸せだし、どんなに美味しいパンを作れる人がいるとしても、自分で作った作りたてのパンをその場で頬張る幸福感には敵わないんじゃないかと思う。

バターロールを作ろうと思ったきっかけは、坂口恭平さんの「cook」という著書だ。坂口さんはうつ病で、その治療の一環として料理を始めた。その記録が「cook」だった。私もうつ病ではないけれど、似たような病気があって、料理をほぼ毎日しているし、坂口さんほど深く考えてはいなかったけれど、料理をするということが、自分を自分らしく形成する手段のひとつであることは、何となく認識していた。もちろんパンを焼くということが、そういったうつ病などの精神疾患を直接的に治してくれることはないかもしれないけれど、料理して食べるという行為がこれから生きようとしている証なのであって、その行為自体は前向きになれる行為以外の何者でもないわけだ。パンを焼くという行為、所謂料理をするという行為は、これから人間が生きようとする大事な行為であって、その行為を見つめながら丁寧に行うことは、日常でデリケートになっているうつ病などの精神疾患をもつ人たちには、必ずいいことがあるように思う。

日常KODAMA YOSHIYUKI